相続人は誰?

相続の開始はまず、相続人を確定することです。 相続人が確定しないと相続を行うことができません。相続人を確定するには、戸籍収集をする必要があります。 戸籍収集と一言で言っても、1.戸籍謄本 2.除籍謄本 3.改製原戸籍謄本と3種類もの戸籍を集める必要があります。

戸籍の収集が終わると、続いては相続人関係図を作成します。相続人関係図とは、相続人と被相続人の関係性を表わした家系図のようなものです。この相続人関係図を作成することで、相続人が誰なのかを明確にすることができます。

そして基本的には、民法で定められた相続人に一定の割合で財産が相続されます。遺言が残されていた場合を除いては、基本的に法定相続分により相続します。

戸籍収集

戸籍の収集は、相続人の確定以外にも預貯金の解約、株式や自動車の名義変更、不動産の相続登記などの手続きに必要になってきます。ですから、すべての戸籍謄本が揃っていなければ、相続を開始することができないほか、預金を下ろすこともできません。

相続人を確定するには、被相続人の本籍地で戸籍謄本を取得することから収集が始まります。
取得した戸籍を基に、従前の戸籍を取得することを繰り返していきます。
実は出生から戸籍の取得をするため、とても労力を要する場合があります。
法定相続人が兄弟姉妹で代襲相続が発生しているケースもありその場合、全く面識のない方が相続人になる可能性があります。
さらに、生前本籍地を繰り返し移している場合、養子縁組などをしている場合、などは複雑になり戸籍が読みにくくなることもあります。

戸籍の取得方法

戸籍の取得方法は、
①市区町村役場に直接伺う
②郵送で請求する

この2点です。

市区町村役場では年々進んでいるプライバシー保護の観点からすぐに戸籍謄本を取得することが簡単ではなくなっています。
先ほどお話したように、戸籍謄本等の取得は手間が掛かってしまうため、お仕事をされていて平日に時間をとれない方、育児で外出が難しい方には、とても煩雑な手続きとなっています。
もし、複雑な戸籍謄本の手続きにお困りの方がいらっしゃいましたら、当サポートセンターにお気軽にご相談ください。

相続人関係図

相続人関係図とは

相続人関係図とは亡くなった方(被相続人)の相続人が誰なのかを図式化したものです。
相続人関係図は相続人と被相続人の関係性が可視化されるため相続に必要な戸籍の収集が効率的になります。
金融機関などでの相続手続きにも利用でき、遺言書の検認を受ける際にも円滑になるため便利です。

相続人関係図作成のポイント

相続人関係図の形式は特に決まっておりません。

作成時のポイント

誰が見ても一目でわかる
⇒相続人関係図は被相続人-相続人の関係性を目に見える形で図式化することに意味があります。ですから明瞭かつ誰にでもわかるものを作る必要があります。
登記された住所・氏名が一致
⇒登記されている住所が該当する相続人と一致しているか、相続人の氏名(漢字の表記など)が間違っていないかを確認します。
戸籍・相続証明書等相続証明書類との関連性がある
⇒関係図は戸籍・相続証明書等相続証明書類を基に作成する必要があります。ゆえに、これら証明書類との関連は非常に大切です。

当サポートセンターでは相続人関係図の作成サポートも承っております。

法定相続

ここでは、相続でも非常に重要な法定相続について解説していきます。

法定相続とは民法により決められた相続人へ亡くなった方(被相続人)の財産が渡ることを指します。遺言が残されなかった場合は、どんなに特別な事情があったとしても、原則、全て法定相続によることになります。

誰が相続人になるのか?・・・法定相続人

法律(民法)上では、亡くなった人の財産を引き継ぐ人のことを「相続人」として定めています。

このように法で定められた財産の受け取り人のこと法定相続人といいます。

この権利は、民法で定められていて、以下の人が法定相続人になることが出来ます。

①配偶者(夫からみれば妻、妻からみれば夫)
ただし、婚姻関係のない内縁の妻や、愛人には相続権がありません。
②子供(=実子)、養子、内縁の妻や愛人の子供、胎児、あるいは孫、ひ孫

これらの人を直系卑属(ひぞく)といいます。民法では、子供、養子が何人いても、全て法定相続人となります。

※養子については、相続税法上では被相続人に子供がいる場合、法定相続人としては1人だけが認められ、子供が居ない場合は、2人までが認められます。簡単にいうと、相続税法上では養子については、1人あるいは2人までしか税金の控除がないということです。

③父と母、あるいは、祖父母
直系卑属が誰も居ない時に、相続人になることが出来ます。父と母がいないときは、祖父母が相続人になり、これらの人を直系尊属といいます。
④兄弟姉妹、あるいはその子供
被相続人の直系卑属や直系尊属が、誰もいない時に初めて相続人となることが出来ます。以上が法定相続人となることが出来る人です。

相続割合はどれくらいか?・・・法定相続分

法定相続分とは、法定相続によって相続人に相続される相続財産の割合をいいます

法定相続分を知ることは、誰にいくらが相続されるのかを知るひとつの目安となります。

遺言書は、亡くなった方の自由意志を反映させるものですが、後々もめないようにするには、作成時にまず参考にされるべきものが法定相続分なのです。

法定相続人の順位または割合

それでは次は実際いくら相続できるのかについて確認しましょう。法定相続分は相続人の構成状況によって、以下のとおりと定められています。

ケース1 夫の遺産(1000万)を妻と子供二人で相続

相続人 相続配分 金額例
【相続人】 【相続配分】 1/2 【金額例】 500万
【相続人】 子供1 【相続配分】 妻の残り1/2を均等に分ける 【金額例】 250万
【相続人】 子供2 【相続配分】 妻の残り1/2を均等に分ける 【金額例】 250万

ケース2 夫の遺産(1200万)を子供がいない嫁と夫側の両親二人で相続

相続人 相続配分 金額例
【相続人】 【相続配分】 2/3 【金額例】 800万
【相続人】 夫側の父 【相続配分】 妻の残り1/3を均等に分ける 【金額例】 200万
【相続人】 夫側の母 【相続配分】 妻の残り1/3を均等に分ける 【金額例】 200万

法律で定めたとおりの配分でないといけないのか

法律では、法定相続分によって配分が定められています。しかし、必ず法定相続分どおりの配分でなくとも問題ないケースがあります。

①遺言書がある場合
⇒被相続人の遺言が最優先されます。故に法定相続分が定められていたとしても遺言の内容に従い、配分します。
②遺産分割協議によって配分を決定した場合

⇒相続人が皆で話し合い(遺産分割協議)、納得していればその配分は法定相続分に優先します。

仮に亡くなった方の配偶者以外の相続人が恣意的に配分を決めてしまった場合、配偶者はその後の生活に重要な影響が出てくる可能性があります。そのようなケースを想定して、法律では、相続人が当然に取得出来るものとして最低限度の相続分を保証しています(これを遺留分と言います)。

つまり法定相続分は配偶者やその子供を保護する機能があるといえます。遺留分が侵害されているような相続の場合には、侵害されている相続人は他の相続人などに侵害額を請求することが出来ます。侵害額を請求する等のトラブルが発生しないように、遺産分割協議を行ったり遺言を残しておくことが大切です。

相続人調査と財産調査

相続は、亡くなった方から相続人へ財産などを移転することです。どの財産を相続するのか、その財産がいくらになるのか、に目が行きがちですが、それ以前にそもそも誰が財産を受け取る権利があるのかを確定しなければ手続きが進みません。

「だいたい分かるから、調べなくても大丈夫。」という考えでいると、思わぬ事態に陥ってしまう危険性があります。 想像もしなかったような人が相続人として出てくることも少なくはありません。 それが早い段階であれば良いのですが、遺産分割協議がまとまった後だと大変な手間が掛かります。

しっかりと誰が相続人であるかを把握することは非常に重要です。 遺言や死因贈与契約がなく、法定相続で相続するのであれば、相続人以外の人が相続財産を取得する可能性があります。 また、どのような財産が相続遺産の対象になるのかをしっかりと把握しましょう。

相続人調査と法定相続

誰が相続人になりえる権利をもつのかは民法で決められています。それを「法定相続人」と言います。
誰が相続人なのかを調べるためには、亡くなった方の「戸籍謄本」「除籍謄本」「改製原戸籍」等を出生から死亡まですべて取得します。
この相続人調査・戸籍調査を怠ると、相続が思いのほか長期間に渡ったり、親族が修復不可能なまでに争ったりします。
相続において、それほど大切なものがここで説明する相続人調査なのです。「相続人が誰になるかくらい、だいたい分かっている」と安心せずに、しっかりと戸籍を収集して、調査しましょう。

戸籍を収集する

戸籍とは、夫婦と未婚の子供を単位に編成された身分関係を明確にするためのものです。
戸籍を収集する場合は、本籍地のある市区町村役場にしなければなりません。
本籍地が遠方にある場合や、都合により出向けないような場合は郵送による申請も可能です。
戸籍を請求できるのは、原則、その戸籍の構成員や直系親族の方などです。
代理人の場合は委任状が必要になりますが、行政書士などの国家資格をもったプロに依頼する場合は、委任状は必要となりません。

相続財産とは

相続は、色々な財産や権利・義務をそのまま受け継ぐということです。
亡くなった人が持っていた財産や権利・義務のすべてが相続することになりますから、借金も一緒に相続しなければいけないのです。

原則として、「すべて相続するか」「すべて放棄するか」しかありません。
ですから相続が発生して2ヶ月以内の早い時期、どんなに遅くとも3ヶ月以内には相続財産額がプラスなのかマイナスなのかくらいは確認できる調査をしなければいけません。
財産には、相続財産とみなし相続財産、祭祀財産の3種類があります。

みなし相続財産とは

相続税は被相続人の財産に対して課せられる税金です。
死亡保険金や死亡退職金もその対象となり、課税の対象となります。 どのような財産が相続財産とみなされるのかちゃんと確認しましょう。

※参考

財産目録

1.不動産
所在 ○○県○○郡○○町○○3901番1
地目
地積 663.60平方メートル
所在 ○○県○○郡○○町○○138番
地目 宅地
地積 363.60平方メートル
所在 ○○県○○郡○○町○○138番
種類 居宅
構造 木造瓦葺平屋建
床面積 100平方メートル
2.預貯金債権等
  1. (1)乙銀行○○支店 普通預金
  2. (2)丙銀行○○支店 定期預金
  3. (3)○○郵便局 定額預金
3.有価証券
  1. (1)株式会社○○製作所 株式  壱万株
  2. (2)○○電気株式会社  株式  5千株
4.債務

甲銀行からの借入金

借受日 平成○○年○○月○○日
元本額 金1000万円
使途 住宅改築資金
5.動産
(1)骨董品の壷 300万円相当
(2)宝石 200万円相当
(3)自動車 新潟330な○○○○ 100万円相当

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