判例により取り扱い改正

1.法定相続

法定相続人

常に相続人:配偶者

配偶者とは、夫から見た妻、妻から見た夫
※婚姻届を提出している法律上婚姻関係にある配偶者
事実婚や内縁関係では相続は発生しません。
※相続開始時点での配偶者
相続開始前に離婚した配偶者は相続できません。

第1順位の相続人:直系卑属 子供

子が既に亡くなっていて、孫がいる場合
相続欠格、廃除で相続できない場合
→子に代わって孫が相続

第2順位の相続人:直系尊属 父母

父母がいない場合は祖父母、
父母、祖父母がいない場合は曾祖父母が相続します。

第3順位の相続人 兄弟姉妹

兄弟姉妹が既に亡くなっていて、甥・姪がいる場合、
相続欠格、廃除で相続できない場合
→兄弟姉妹に代わって甥・姪が相続します。
※相続欠格とは、一定の事情により手続きをすることなく相続人でなくなること言います。
相続欠格該当者は次の者です。
●被相続人を殺そうとしたり、殺したり、また殺した犯人を知っているにも係らず告げない者。
●遺言書を偽造、変造、破棄、隠匿した者。
※廃除とは、推定相続人の非行を原因として相続権を剥奪することを言います。 (家庭裁判所で手続きが必要です)

注意点

☆ 第1順位の相続人が相続する場合には、第2順位、第3順位の相続人には相続権が発生しません。
☆ 子や孫、直系尊属、兄弟姉妹もいないときは、配偶者がすべての遺産を相続します。
☆ 再婚した時の配偶者の連れ子は、養子縁組をしていれば相続権があります。
☆ 離婚時に養子縁組を解消していない子供は相続権があります。
☆ 婚姻関係にない男女間にもうけた子供(非嫡出子)は、父親が認知をしたときに相続権が発生します。

法定相続分の割合

順位 第一順位 第二順位 第三順位
相続人 配偶者 配偶者 直系尊属 配偶者 兄弟姉妹
法定相続分 1/2 1/2 2/3 1/3 3/4 1/4

注意点

☆ 子・直系尊属・兄弟姉妹の相続分は、人数に応じて均等に分けます。
☆ 非嫡出子と嫡出子の相続分は同等分を相続します。(平成25年9月4日判例)
  ※ 非嫡出子 法律上婚姻関係にない男女の間に生れた子
  ※ 嫡出子 法律上婚姻関係にある男女の間に生れた子
☆ 養子は、実子と同等の扱いになります。

遺留分

遺留分とは

相続人の生活保障や共同相続人間の公平な財産相続を図るための、最小限度の相続人の取り分のことを言います

遺留分の割合

相続人 遺留分
 兄弟姉妹のみ 0
 直系尊属のみ 1/3

 配偶者のみ

 子のみ

 配偶者と子

 配偶者と直系尊属

1/2

2.遺言でできること

法定相続の修正に関する事項

①推定相続人の廃除及びその取り消し

以下の二つができます。
・生前に遺言者に対して虐待、侮辱等を行った者を相続人からはずすこと。
・生前に遺言者に対して虐待、侮辱等を行ったとして相続人からはずす手続きをしていた者が改心したので再び相続人とすること。

②相続分の指定及び指定の委託

法定相続分を変更することができます。
例)
法定相続の場合 妻 3/6 三人の子供 各1/6
遺言で指定した場合 妻 6/12 長男 3/12 次男 2/12 三男 1/12

③遺産分割方法の指定及び指定の委託、遺産分割の禁止 

以下の二つはできます。
・特定の遺産について個別的に指定すること
例)土地建物:妻 預金:長女 有価証券:次女
・5年以内の期間を定めて遺産分割を禁止すること 

遺産分割によるもめごとが想定される場合に冷却期間として期間内の遺産分割を禁止する 。

④相続人相互の担保責任の指定 

相続した遺産に欠点があることが判明した場合、他の相続人が相続分に応じて互いに担保しあうことができます。
例)
長男 債権600万円 次男 預金600万円 三男 現金600万円
長男の相続した債権が、債務者の破産により回収できなくなった場合は、次男は相続した預金から200万円、三男は相続した現金から200万円を長男に渡してほしいと書く。

⑤遺留分減殺方法の指定 

遺留分減殺請求があった場合、すでに相続された遺産のうち何から減殺するか決めておくことができます。
例)
別居中の妻と子供に妻と子供が住んでいる家を土地を相続させ、同居している愛人と子供に愛人と子供が住んでいる家と土地及び現金預金を遺贈する遺言書を書いた。別居中の妻と子供が遺留分を侵されたとして愛人と子供に遺留分の滅殺請求をしてきたときは、土地建物からではなく現金預金から滅殺するよう指定する。

財産処分に関する事項

⑥遺贈と寄付行為 

相続人以外に相続財産となるものを遺贈したり、財団法人設立のために寄付をすることができます。
例)
・相続人がまったくいないとき世話になった友人に遺贈する。
・相続人には相続させたくないとき公益事業に寄付をする。
・相続人ではない内縁の妻に遺産を遺贈する。
・先に死亡している息子の嫁(相続人でない場合)に世話になったので遺産を遺贈する。

⑦信託法上の信託の設定

信託会社等に財産の管理処分を委託し、相続人が収益を得ることができるようにしておくことができます。
例)
遺産である貸ビルを信託財産として不動産会社に預け、その賃料収入をもって施設入所中の長男(重度の心身障害)の治療費、生活費等に充てたい場合。

身分上の事項

⑧認知

婚姻外で生まれた子供との間で法律上の親子関係を創設し、相続人とすることができます。

⑨未成年後見人の指定、未成年後見監督人の指定 

残された未成年の子供を保護監督してもらう人を指定することができます。
例)
父母のうちいずれか一方がすでに死亡している場合
離婚によってどちらか一方が親権者となっている場合
生活費に充てたい場合

遺言の執行に関する事項

⑩遺言執行者の指定及び指定の委託 

遺言の内容を実現するために執行者を指定することができます。

3.自筆証書遺言

遺言は法律の定める方式に従って作成されていなければ法的効力はありません。

1.全文、日付、氏名を自分で書き、押印する 

  全文 日付 氏名 捺印
無効

他人の代筆 

ワープロで打ったもの

日付のないもの 

「平成15年11月吉日」

氏名のないもの  押印のないもの
有効

自筆で書く 

筆記用具は、ボールペン、万年筆等 

自筆で書く 

「平成15年11月2日」 

「還暦の日」 

「第何回の誕生日」

自筆で書く 

実印、認印、三文判でもよいが、 

実印がベター 

 

筆跡が遺言者のものであることが必要 

遺言が遺言者の真意に基づくものであること

日付が確定できることが必要 

遺言者の遺言能力の有無の確認、 

二通以上の遺言書が出てきた場合にその前後を確認するため 

   

 

2.遺言書を加除訂正する場合は、はじめから書き直す方がよい。 

加除訂正の方式を誤ると無効になるためです。

3.共同遺言の禁止 

二人以上の者が同一証書で遺言をすることはできません。

4.その他

遺言の撤回


☆遺言書は何度でも書き直すことが出来ます。
☆書き直すときの方式はどの方式でも問題ありません。
 例 自筆証書遺言を公正証書遺言で書き直す 
   公正証書遺言を自筆証書遺言で書き直す
   秘密証書遺言を公正証書遺言で書き直す。 
☆書き直した場合、日付の新しいものが優先して有効となりません。
例)
平成14年1月5日作成  平成15年1月5日作成 

①A土地を長男太郎に相続させる。 

②B預金を長女花子に相続させる。 

③C土地建物とD有価証券を妻に相続させる。 

①A土地とD有価証券を長男太郎に相続させる。 

②B預金を長女花子に相続させる。 

③C土地建物を妻に相続させる。 

 
解 説 
D有価証券の相続人が代わっている。
この場合、日付の新しい方が優先するのでD有価証券は、長男太郎が相続することになります。 
何通もの遺言書が出てくることはトラブルの原因になるので、遺言書の内容を変更する時は古いものを破り捨て、新しい遺言書を書くべきです。 

保管について 

以下の四つが遺言の有効な保管方法です。
・弁護士、司法書士、行政書士、税理士等専門家に預けておく 
・遺言執行者に預けておく 
・貸し金庫を利用する
・信頼できる友人、知人に預けておく 

遺言の効力 

遺言者の死亡のときにはじめて効力が発生します。(契約等他の法律行為と大きく異なる点) 
生前に書いた遺言を取り消したり、変更することが出来ます。

遺言書を見つけたとき 

実際に相続があり、遺言書が発見された場合に、封印のある場合は、家庭裁判所に持参し、相続人全員の立ち会いのうえで開封しなければなりません。 
勝手に開封した場合、過料が課せられたり、トラブルの原因にもなりますので、遺言書を入れる封筒に注意書きをしておくとよいでしょう。 


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